2025.08.27
写真は犬の皮膚病の症状で膿皮症と呼ばれる症状です。膿皮症(のうひしょう)とは、皮膚に細菌が増えて炎症を起こす皮膚病です。
人間でいう「とびひ」や「ニキビ」に少し似ています。
多くの場合皮膚の常在菌であるブドウ球菌が直接的な原因となります。アレルギーなどの原因により表皮のバリア機能が崩れ細菌が侵入することによって病気を引き起こします。
病変部で起こっている現象について「はたらく細胞」風にお話しします。
犬の皮膚の表面には、普段から「常在菌(じょうざいきん)くん」たちが住んでいます。
ふだんは大人しく、皮膚の環境を守っている仲間でもあります。
ところが……トラブル発生!
湿気やアレルギー、体調不良
で「皮膚バリアさん」が弱ってしまうと……
常在菌くんの一部が大暴れ!
「ブドウ球菌軍団」が増えすぎてしまいます。
警備員で白血球の一種であるマクロファージさんが細菌を食べまくります。マクロファージさんは援軍の好中球軍団を呼ぶためのサイトカインという餌を巻きます。
一方、赤血球くんたちは「酸素を届けるのに大忙し」
普段血液の中にいる好中球さんたちもサイトカインにつられて血管を飛び出し「敵をやっつけるために突撃!」・・・細菌を食べまくります。戦った白血球さんは死んで膿となります。
その結果、皮膚に赤いポツポツや膿のたまったニキビみたいなできものができてしまうんです。
これが「膿皮症(のうひしょう)」です。
お医者さん(獣医師)が「抗生物質の援軍」を投入!
「薬用シャンプー洗浄部隊」が皮膚をきれいにしてサポート!
バリアーを整えるためにセラミド美人部隊が参入!
皮膚バリアさんを強くしてあげることが大切です。
しっかり乾かす(湿気に注意!)
清潔を保つ
アレルギーや持病のケア
これで「常在菌くん」と「皮膚バリアさん」が仲良く共存できる状態に戻ります。