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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

猫の甲状腺機能亢進症 食べているのに痩せる?高齢猫に多い病気について

 

「最近、ごはんをたくさん食べるのに痩せてきた」
「高齢なのに、以前より活発になった」
「夜中によく鳴くようになった」

愛猫にこのような変化はありませんか?

もしかすると、甲状腺機能亢進症という病気が隠れているかもしれません。

今回は、高齢の猫ちゃんに比較的多く見られる甲状腺機能亢進症について、症状や検査、治療方法をご紹介します。

1.甲状腺機能亢進症とは

甲状腺は、首の左右にある小さな臓器です。

ここから分泌される甲状腺ホルモンには、体の代謝を調節する大切な働きがあります。

甲状腺機能亢進症は、このホルモンが必要以上に分泌されることで、全身の代謝が過剰に活発になってしまう病気です。

猫では、甲状腺の良性の過形成や腺腫が主な原因です。

特に10歳以上の高齢猫で多く発症します。

2.こんな症状には注意

甲状腺機能亢進症では、さまざまな症状が現れます。

代表的なのは、次のような症状です。

  • 食欲が増えたのに体重が減ってきた
  • 水をたくさん飲み、おしっこの量が増えた
  • 落ち着きがなくなり、活発になった
  • 夜中によく鳴くようになった
  • 嘔吐や下痢が増えた
  • 毛並みが悪くなった
  • 心拍数が増加した

なかでも特徴的なのが、「よく食べるのに痩せていく」という症状です。

甲状腺ホルモンが過剰になると、体のエネルギー消費量が増加します。そのため、たくさん食べていても体重が減少してしまうことがあります。

また、高齢猫なのに以前より活発になったり、夜鳴きが増えたりする場合もあります。

こうした変化を単なる老化や性格の変化と考えず、注意することが大切です。

なお、すべての猫で食欲が増えるわけではありません。病気が進行すると、反対に食欲や元気がなくなる場合もあります。

代謝異常により下記のような様々な症状が現れます。

多食(80%) 体重減少(95%)食欲低下(10%)多飲多尿(70%)

頻脈(80%)活動亢進(55%)活動低下(10%)下痢(50%)

嘔吐(30%)呼吸異常(35%)心臓の異常(35%)

皮膚病変(30%)

3.心臓や腎臓にも影響することがあります

甲状腺ホルモンは、心臓や腎臓にも大きな影響を与えます。

ホルモンが過剰になることで心拍数が増加し、心臓に負担がかかります。心臓の筋肉が厚くなるなどの変化が見られる場合もあります。

また、高齢猫では慢性腎臓病を併発していることも珍しくありません。

甲状腺機能亢進症の治療を開始すると、それまで隠れていた腎機能の低下が明らかになる場合があります。

そのため、甲状腺だけでなく、心臓や腎臓の状態も確認しながら治療を進めることが重要です。

4.どのような検査をするの?

甲状腺機能亢進症は、主に血液検査によって診断します。

血液中の甲状腺ホルモン(T4)を測定し、基準値を超えていないか確認します。

ただし、病気の初期段階では、甲状腺機能亢進症であってもT4が正常範囲内になることがあります。

そのため、症状や検査結果によっては、一定期間を空けて再検査したり、遊離T4(FT4)などの追加検査を行ったりします。

また、一般的な血液検査や尿検査、血圧測定などを組み合わせ、全身の状態を確認します。

5.治療方法について

甲状腺機能亢進症には、いくつかの治療方法があります。

① お薬による治療

甲状腺ホルモンの産生を抑える薬を使用します。

代表的な薬はチアマゾール・メチマゾールです。動物専用の薬剤も発売されています。

継続的な投薬が必要で、定期的に血液検査を行いながら投薬量を調整します。

副作用として、食欲不振、嘔吐、顔や首のかゆみなどが見られる場合があります。

また心臓機能や腎臓機能に異常がある場合はそれぞれの治療が必要になります。

② 食事療法

ヨウ素の含有量を厳密に制限した療法食(Hills y/d)を使用し、甲状腺ホルモンの産生を抑える方法です。

原則として、指定された療法食以外の食べ物を与えないことが重要です。

③ 外科手術

異常のある甲状腺を切除する方法です。

根治が期待できますが、麻酔や手術に伴うリスクがあるため、高齢猫ちゃんの全身状態を考慮する必要があります。

それぞれの治療にはメリットと注意点があります。年齢や腎臓の状態、投薬のしやすさなどを考慮し、適切な治療方法を選択します。

6.10歳を過ぎたら定期的な健康診断を

甲状腺機能亢進症は、早期に発見して適切な治療を行うことで、症状の改善や良好な生活の維持が期待できる病気です。

しかし、初期段階では症状が目立たず、飼い主様が変化に気づきにくいこともあります。

特に10歳以上の猫ちゃんでは、定期的な健康診断に加えて、必要に応じた甲状腺ホルモンの検査をおすすめします。

また、ご自宅で定期的に体重を測定しておくと、小さな変化に気づきやすくなります。

「食べているのに痩せてきた」「最近、行動が変わった」など、気になる症状がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。

大切な猫ちゃんが健康で快適に過ごせるよう、早期発見と適切な治療を心がけましょう。当院の健康診断には甲状腺ホルモン測定が含まれています。