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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

犬の肺葉捻転とは?初期症状を見逃さないために

「少し元気がない」「呼吸が速い」そんな症状に注意

愛犬がいつもより元気がない、食欲が落ちている、呼吸が少し速い……。

こうした症状は、さまざまな病気で見られますが、まれに「肺葉捻転(はいようねんてん)」という命に関わる病気が隠れていることがあります。

肺葉捻転は比較的珍しい病気ですが、早期発見と適切な治療が重要です。

今回は、肺葉捻転の原因や初期症状、検査、治療についてご紹介します。

1.肺葉捻転とは?

犬の肺は、いくつかの部分に分かれており、それぞれを「肺葉(はいよう)」と呼びます。

肺葉捻転とは、この肺葉が根元からねじれてしまう病気です。

肺葉がねじれると、肺に空気を送り込む気管支や血液を運ぶ血管が圧迫され、正常に機能できなくなります。

その結果、肺に血液がたまって腫れたり、肺の組織が壊死したりすることがあります。

また、胸の中に液体がたまる「胸水」を伴う場合もあり、呼吸困難を引き起こすことがあります。

肺葉捻転は、進行すると命に関わるため、迅速な診断と治療が必要な病気です。

2.初期症状は?こんな変化に注意!

肺葉捻転というと、突然呼吸が苦しくなる病気というイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には初期症状がはっきりしないケースもあります。

特に注意していただきたい症状は、次のとおりです。

① いつもより元気がない

普段は活発なワンちゃんが、あまり動かなくなったり、散歩に行きたがらなくなったりすることがあります。

② 食欲が落ちる

いつもは喜んで食べているご飯を残したり、おやつに興味を示さなくなったりする場合があります。

食欲低下は肺葉捻転でも比較的多く報告されている症状です。

③ 呼吸がいつもより速い

安静にしているのに呼吸が速い、胸やお腹が普段より大きく動いているといった変化が見られることがあります。

④ 咳が出る

肺葉捻転では咳が出ることもあります。

ただし、必ず咳が出るわけではありません。咳がないからといって肺葉捻転を否定することはできません。

⑤ 発熱や嘔吐

発熱や嘔吐が認められるケースもあります。

これらの症状は胃腸炎や感染症などでも見られるため、症状だけで肺葉捻転と判断することは困難です。

特に注意したいのは、症状が軽いケース

肺葉捻転は、必ずしも突然重い呼吸困難を起こすわけではありません。

数日かけて症状が進行する場合もあり、最初は食欲低下や元気消失しか認められないこともあります。

そのため、普段と違う様子が続いている場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

3.こんな症状があれば緊急受診を!

次のような症状がある場合は、呼吸状態が悪化している可能性があります。

  • 安静にしていても呼吸が非常に速い
  • 呼吸をするたびにお腹が大きく動く
  • 首を伸ばして苦しそうに呼吸している
  • 舌や歯茎が青紫色になっている
  • ぐったりして動けない

これらは肺葉捻転以外の重い病気でも見られる危険な症状です。

呼吸が苦しそうな場合は、様子を見ずに速やかに動物病院を受診してください。

移動時には興奮や運動を避け、できるだけ安静を保つことが大切です。

4.どんな犬がなりやすいの?

肺葉捻転は、どの犬種でも発症する可能性があります。

特に報告が多い犬種として、次のような犬が挙げられます。

  • パグ
  • アフガン・ハウンド
  • ボルゾイなどの胸の深い大型犬

大型犬だけでなく、パグなどの小型犬でも発症することが知られています。

また、若い犬でも発症するため、高齢犬だけの病気ではありません。

発症する原因は完全には解明されていませんが、自然に発症するケースのほか、胸水の貯留や胸部の外傷などが関係する場合もあります。

5.肺葉捻転はどうやって診断するの?

肺葉捻転を疑う場合には、身体検査や呼吸状態の評価に加えて、画像検査などを実施します。

胸部レントゲン検査

肺の異常や胸水の有無を確認します。

ただし、レントゲン検査だけでは肺炎や肺腫瘍など、ほかの病気との区別が難しい場合があります。

超音波検査

胸水の有無や異常が認められる肺の状態を確認します。

CT検査

肺葉捻転が疑われる場合に重要な検査です。

肺葉の位置や気管支、血管の状態などを詳しく確認することで、診断や手術計画に役立ちます。

ただし、呼吸状態が悪い場合は、まず酸素吸入などで状態を安定させることが優先されます。

6.肺葉捻転の治療方法は?

肺葉捻転の基本的な治療は、ねじれてしまった肺葉を手術で切除することです。

ねじれた肺葉は血流が障害されているため、時間の経過とともに組織が傷んでいきます。

そのため、原則として外科手術による治療が必要です。

手術前には呼吸状態に応じて酸素吸入や胸水の除去などを行い、全身状態の安定化を図ります。

手術後の経過は、発見時の状態や基礎疾患、合併症の有無などによって異なります。

適切な治療によって回復し、その後も日常生活を送れるケースがあります。

7.ご家庭でできること

肺葉捻転には、現時点で確立された予防方法がありません。

そのため、日頃から愛犬の体調や呼吸の変化に気づくことが大切です。

特におすすめしたいのが、安静時の呼吸数を確認する習慣です。

愛犬が落ち着いて眠っているときに、胸が上下する回数を1分間数えてみましょう。

健康な犬では、睡眠中の呼吸数は一般的に1分間30回未満が目安とされています。ただし、個体差や環境によって変化することもあります。

普段の呼吸数を把握しておくことで、いつもと違う変化に気づきやすくなります。

なお、呼吸数が正常でも肺葉捻転などの病気を完全に否定できるわけではありません。

呼吸数だけでなく、食欲や元気、咳の有無なども一緒に観察しましょう。

まとめ:愛犬の小さな変化を見逃さないで!

肺葉捻転は比較的珍しい病気ですが、進行すると命に関わることがあります。

特に覚えておいていただきたいのは、初期症状が必ずしも呼吸困難とは限らないということです。

食欲が落ちている、元気がない、呼吸がいつもより速いといった症状から始まる場合もあります。

こうした症状の原因はさまざまですが、いつもと違う状態が続く場合には、早めに動物病院へご相談ください。

日頃から愛犬の様子をよく観察し、小さな変化に気づいてあげることが、病気の早期発見につながります。