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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

犬や猫が赤いおしっこをした 血尿?それとも別の病気?

愛犬や愛猫のおしっこが突然赤くなっていたら、飼い主さんは驚いてしまいますよね。

実は、赤いおしっこが出たからといって、必ずしも血尿とは限りません。

赤い尿の原因は、大きく分けて次の3つに分類されます。

  • 血尿:尿に赤血球が混じっている状態
  • ヘモグロビン尿:赤血球が破壊され、血液中のヘモグロビンが尿に排出される状態
  • ミオグロビン尿:筋肉が損傷し、ミオグロビンというタンパク質が尿に排出される状態

それぞれ原因や治療方法が異なるため、適切な検査を受けることが大切です。

今回は、犬や猫のおしっこが赤くなる原因と、動物病院で行う検査について解説します。


1.血尿とは?

血尿とは、尿の中に赤血球が混じっている状態です。

赤い尿が出る原因として、まず考えられるのが血尿です。

主な原因には、次のような病気があります。

① 膀胱炎・尿路感染症

膀胱や尿道に炎症が起こることで出血し、尿が赤くなることがあります。

頻尿や排尿時の痛み、何度もトイレに行くなどの症状が見られることもあります。

② 尿路結石

腎臓や膀胱、尿道に結石ができる病気です。

結石によって尿路の粘膜が傷つくと、血尿が出ることがあります。

特に尿道が結石などで詰まってしまうと、命に関わる緊急事態になる可能性があります。

③ 腫瘍

膀胱や腎臓などに腫瘍ができることで、血尿が見られる場合があります。

④ その他の原因

腎臓の病気、外傷、血液凝固異常などによっても血尿が生じることがあります。

また、尿路からの出血ではなく、生殖器からの出血が尿に混じるケースもあります。


2.ヘモグロビン尿とは?

ヘモグロビン尿は、血液中の赤血球が大量に破壊される「血管内溶血」によって発生します。

赤血球の中には、酸素を運ぶヘモグロビンというタンパク質が含まれています。

赤血球が大量に破壊されると、血液中に放出されたヘモグロビンが腎臓から排出され、尿が赤色や赤褐色になることがあります。

主な原因として、以下が挙げられます。

  • 玉ねぎやニンニクなどによる中毒
  • アセトアミノフェンなどの薬物中毒
  • バベシア症などの感染症
  • 免疫介在性溶血性貧血などの溶血性疾患

原因によっては重度の貧血や急性腎障害を引き起こす可能性があるため、迅速な診断と治療が必要です。

なお、溶血性疾患であっても、必ずヘモグロビン尿が見られるわけではありません。


3.ミオグロビン尿とは?

ミオグロビン尿は、筋肉の細胞が損傷することで発生します。

筋肉には、酸素を蓄える役割を持つミオグロビンというタンパク質が含まれています。

筋肉が大きく損傷すると、ミオグロビンが血液中に放出され、腎臓を通じて尿に排出されることがあります。

主な原因は以下のとおりです。

  • 激しい筋肉の損傷
  • 重度の外傷
  • 長時間のけいれん発作
  • 横紋筋融解症

ミオグロビン尿は、重度の筋肉障害に伴って発生し、急性腎障害を引き起こす可能性があります。


4.血尿・ヘモグロビン尿・ミオグロビン尿の違い

3つとも赤い尿が見られることがありますが、尿検査や血液検査によって区別します。

検査項目 血尿 ヘモグロビン尿 ミオグロビン尿
尿の色 赤色 赤色〜赤褐色 赤色〜褐色
尿潜血反応 陽性 陽性 陽性
尿沈渣中の赤血球 認められる 原則認められない 原則認められない
遠心分離後の尿 赤色が薄くなることが多い 赤色が残る 赤色が残る
貧血 原因や出血量による 認められることが多い 通常は認められない
筋肉障害(CK上昇) 通常なし 通常なし 認められることが多い

※典型的な所見を示しています。複数の病態が同時に存在する場合など、例外もあります。

重要なのは、尿潜血反応が陽性でも、必ずしも血尿とは限らないということです。

尿潜血検査は赤血球だけでなく、ヘモグロビンやミオグロビンにも反応します。

そのため、尿潜血反応だけで判断せず、尿沈渣検査などを組み合わせる必要があります。


5.動物病院ではどんな検査をするの?

赤い尿が認められた場合、症状や身体検査の結果に応じて、次のような検査を行います。

① 尿検査

尿の色や潜血反応を確認します。

さらに、尿を遠心分離して尿沈渣を顕微鏡で観察し、赤血球や白血球、結晶などの有無を調べます。

② 血液検査

貧血の有無や腎機能、炎症の程度などを確認します。

溶血が疑われる場合は、赤血球の状態やビリルビンなども評価します。

筋肉障害が疑われる場合は、クレアチンキナーゼ(CK)などの筋肉由来酵素を確認します。

③ 超音波検査・レントゲン検査

膀胱や腎臓などを観察し、結石や腫瘍、尿路の異常がないか調べます。

必要に応じて、尿培養検査などの追加検査を行うこともあります。


6.こんな症状があったら、すぐに動物病院へ!

赤い尿が見られた場合は、元気や食欲があっても、早めに動物病院を受診しましょう。

特に、次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 何度もトイレに行くのに尿がほとんど出ない
  • 排尿時に痛がる
  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 食欲がない、嘔吐している
  • 歯茎が白い、呼吸が速い
  • 尿が赤褐色やコーラのような色になっている

特に、何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない場合は、尿道閉塞の可能性があるため緊急受診が必要です。

また、急激な溶血や筋肉障害も緊急性の高い病態です。

尿の色だけで病気の重症度を判断することはできません。


7.飼い主さんにお願いしたいこと

愛犬や愛猫の尿が赤くなった場合は、次のような情報を確認しておくと診察に役立ちます。

  • いつから尿が赤くなったのか
  • 毎回赤いのか、ときどき赤いのか
  • 排尿の回数や尿量に変化はあるか
  • 元気や食欲に変化はあるか
  • 最近、薬の服用や誤食はなかったか

可能であれば、赤い尿の写真を撮影しておきましょう。

また、清潔な容器に採取した新鮮な尿を持参していただくと、診断に役立つ場合があります。

ただし、尿が出ない、ぐったりしているなどの症状がある場合は、採尿のために受診を遅らせないでください。


まとめ:赤いおしっこは体からの重要なサイン!

犬や猫の赤いおしっこには、血尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿など、さまざまな原因があります。

見た目が似ていても、原因となる病気や治療方法は大きく異なります。

特に、ヘモグロビン尿やミオグロビン尿は、全身性の重い病気に伴って発生する場合があるため注意が必要です。

赤いおしっこが出たら、「膀胱炎かな?」と自己判断せず、動物病院で適切な検査を受けることが大切です。

愛犬・愛猫のおしっこの色や回数を日頃からチェックし、小さな変化を見逃さないようにしましょう。