2026.10.17


ワンちゃんやネコちゃんのお尻にある「肛門腺(こうもんせん)」。
トリミングや診察の際に「肛門腺を絞りますね」と言われたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
でも、そもそも肛門腺は何のためにあるのでしょうか?
今回は、意外と知られていない肛門腺の役割についてご紹介します!
犬や猫の肛門の左右、時計でいうと4時と8時の方向には「肛門嚢(こうもんのう)」という小さな袋があります。
この袋には、肛門腺から分泌される独特の強いにおいを持った液体がたまっています。
実は、このにおいは動物同士のコミュニケーションに役立っていると考えられています。
ワンちゃんがお散歩中にほかの犬のお尻をクンクン嗅ぐのも、相手のにおいから情報を得ようとする行動のひとつです。
つまり、肛門腺の分泌物は動物にとって「においの名刺」のようなものなのです!
肛門腺の分泌物には、主に次のような働きがあると考えられています。
① 個体を識別するため
分泌物のにおいには個体差があり、動物同士が相手を識別する手がかりのひとつになります。
② においによるマーキング
排便時に分泌物が一緒に排出されることで、自分のにおいを周囲に残す役割があると考えられています。
③ 驚いたときや興奮したときの放出
強い恐怖や興奮を感じた際に、肛門嚢の分泌物が突然排出されることがあります。
ネコちゃんでも、驚いたときなどに強いにおいの液体が出ることがあります。
実は、すべての犬猫に定期的な肛門腺絞りが必要なわけではありません。
本来、肛門嚢にたまった分泌物は排便時などに自然に排出されます。
しかし、小型犬などでは分泌物がうまく排出されず、袋の中にたまってしまうことがあります。
そのまま放置すると、肛門嚢炎や膿瘍を起こし、ひどい場合には皮膚が破れてしまうこともあります。
一方、猫では犬ほど肛門嚢のトラブルは多くありませんが、炎症などを起こすことがあります。
こうした症状がある場合は、肛門嚢に分泌物がたまっていたり、炎症が起きていたりする可能性があります。
ただし、お尻をこする行動は皮膚炎や寄生虫などでも見られるため、必ずしも肛門腺が原因とは限りません。
無理にご自宅で絞ろうとせず、動物病院で確認してもらいましょう。
肛門腺が異常に多い子や、化膿を繰り返す子は手術によって摘出することも可能です。
犬猫の肛門腺は、単に「臭い液体を出す器官」ではなく、動物同士のコミュニケーションに役立つ大切な器官です。
ただし、現代の家庭犬や猫では、分泌物がうまく排出されずトラブルにつながることもあります。
肛門腺絞りが必要な頻度には個体差があり、定期的に絞る必要がない子もいます。
お尻を気にするしぐさが増えたときは、早めに動物病院にご相談くださいね!
大切なワンちゃん・ネコちゃんのお尻の健康も、日頃からチェックしてあげましょう🐾