2026.11.04

セキセイインコや文鳥、オカメインコなどの小鳥を飼育している方は、「卵詰まり(卵塞)」という病気をご存じでしょうか?
卵詰まりとは、メスの鳥が卵を正常に産むことができず、体内に卵がとどまってしまう状態です。
小鳥は体が小さいため、卵詰まりによって急激に体調が悪化し、命に関わることもあります。
今回は、卵詰まりの原因や症状、治療方法、日頃からできる予防について解説します。
卵詰まりは、形成された卵が卵管内などにとどまり、正常に排出されなくなる状態です。
セキセイインコ、文鳥、オカメインコ、コザクラインコなど、さまざまな鳥で発生します。
また、オスと一緒に飼育していなくても、メスは無精卵を産むことがあります。
そのため、メスを1羽だけ飼育している場合でも注意が必要です。
次のような症状が見られた場合は注意してください。
ケージの床でうずくまっている
羽を膨らませて、じっとしている
食欲や元気がなくなる
何度もいきむような動作をする
お腹が膨らんでいる
フンの量が減る、または出なくなる
足を開いた姿勢になる、止まり木に止まれない
呼吸が荒くなり、尾羽が上下に動く
特に、ケージの床でうずくまっている、呼吸が苦しそう、止まり木に止まれないといった症状は緊急性が高いサインです。
卵詰まり以外の重い病気でも同様の症状が見られるため、自己判断せず、早めに動物病院を受診しましょう。
卵詰まりには、いくつかの原因が関係しています。
カルシウム不足
カルシウムは卵殻の形成だけでなく、卵を押し出す筋肉の働きにも必要です。不足すると卵殻が正常に形成されなかったり、産卵に必要な筋肉の収縮が弱くなったりします。
慢性的な発情・産卵
繰り返し産卵することで、カルシウムや栄養が消耗し、卵詰まりのリスクが高まることがあります。
肥満や運動不足
肥満や筋力の低下によって、正常な産卵が難しくなる場合があります。
卵の異常や卵管の病気
卵が大きすぎる、形が異常である、卵管に炎症などの異常がある場合にも卵詰まりが起こります。
卵詰まりが疑われる場合は、身体検査やレントゲン検査、必要に応じて超音波検査などを行います。
ただし、卵殻が十分に形成されていない卵は、レントゲン検査だけでは確認しにくいことがあります。
治療は鳥の全身状態や卵の位置などによって異なります。
保温や酸素投与などによる全身状態の安定化
脱水やカルシウム不足などの補正
状態に応じた産卵を促す治療
必要に応じた卵の摘出処置や外科手術
卵詰まりは、時間が経過するほど治療が難しくなることがあります。
「もう少し待てば産むかもしれない」と様子を見続けることは危険です。
卵詰まりが疑われる場合、無理に卵を出そうとする行為は絶対に避けてください。
特に、お腹を強く押したり、マッサージしたりすることは危険です。卵の破損や卵管の損傷などを引き起こす可能性があります。
また、自己判断で油を塗ったり、薬やカルシウム剤を大量に与えたりすることも避けましょう。
受診までの間は、鳥を静かな環境で安静にさせ、急な温度変化を避けてください。弱っている場合は、無理に餌や水を飲ませないことも重要です。
卵詰まりを予防するためには、日頃の飼育環境を整えることが大切です。
栄養バランスの良い食事
鳥種に合った総合栄養食を中心に、適切な栄養管理を行いましょう。カルシウム不足にも注意が必要ですが、サプリメントの過剰投与は避けてください。
過剰な発情を防ぐ
巣箱や暗く狭い場所、鏡など、発情を促す刺激を見直しましょう。背中や腰をなでる行為も発情を促す場合があります。
適正体重を維持する
肥満を防ぐため、食事量や運動量を管理しましょう。
産卵を繰り返す場合は相談する
頻繁に無精卵を産む場合は、体への負担が大きくなります。発情抑制や飼育環境の改善について、鳥の診療に対応した動物病院に相談しましょう。
小鳥の卵詰まりは、早期発見と早期治療がとても重要な病気です。
普段は元気な小鳥でも、短時間で状態が悪化することがあります。
「いつもより元気がない」「ケージの床にいる」「いきんでいる」といった変化が見られたら、卵詰まりの可能性も考え、早めに動物病院を受診してください。
大切な小鳥の命を守るために、日頃から食欲・フン・体重・行動の変化を観察してあげましょう。
「卵詰まりが疑われる場合は、当日中ではなく、できるだけ速やかに鳥の診療が可能な動物病院へ!!」