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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

フェレットのインスリノーマとは?症状・診断・治療について

フェレットが最近よく寝るようになった、後ろ足がふらつく、食欲にムラがある……。

こうした症状は、単なる加齢による変化ではなく、「インスリノーマ」という病気のサインかもしれません。

インスリノーマは、中高齢のフェレットで比較的よくみられる病気のひとつです。

今回は、フェレットのインスリノーマについて、症状や診断方法、治療、日常生活での注意点をわかりやすく解説します。

① インスリノーマとはどんな病気?

インスリノーマは、膵臓にあるインスリンを分泌する細胞(β細胞)が腫瘍化する病気です。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖値)を下げる働きがあります。

通常、インスリンは血糖値に応じて分泌量が調節されています。しかし、インスリノーマになると、血糖値が低い状態でもインスリンが過剰に分泌され、低血糖を繰り返すようになります。

脳や筋肉はブドウ糖を重要なエネルギー源としているため、低血糖が続くとさまざまな神経症状や全身症状が現れます。

インスリノーマは特に4〜5歳以降の中高齢フェレットで多くみられますが、若いフェレットでも発症することがあります。

② こんな症状があったら要注意!

インスリノーマの症状は、初期には軽く、飼い主様が気づきにくいこともあります。

代表的な症状

  • 寝ている時間が増えた
  • 元気がなく、ぼんやりしている
  • 後ろ足に力が入らず、ふらつく
  • よだれが増える
  • 前足で口元をこする、口を気にする
  • 食欲にムラがある
  • 急にぐったりする
  • 体が震える
  • けいれんを起こす
  • 意識が低下する

特に注意したいのが、後ろ足のふらつきと、口元を前足でこする仕草です。

これらは低血糖によってみられることがある特徴的な症状です。

また、食事をすると一時的に元気になり、その後再びぐったりするケースもあります。

症状が出たり消えたりするため、発見が遅れてしまうこともあります。

③ インスリノーマはどうやって診断するの?

診断では、症状や身体検査に加えて、血液検査による血糖値の測定が重要です。

フェレットでは、血糖値が60〜70mg/dL未満の場合、低血糖の原因としてインスリノーマを疑います。ただし、数値だけで確定診断できるわけではありません。

血糖値は食事のタイミングや検体の取り扱いなどによっても変動するため、症状やほかの検査結果と合わせて判断します。

必要に応じて、血中インスリン濃度の測定や超音波検査などを行うこともあります。

なお、インスリノーマは腫瘍が非常に小さいことも多く、超音波検査で腫瘍が確認できなくても、インスリノーマを否定することはできません。

また、低血糖にはほかの原因もあるため、総合的な評価が必要です。

※フェレットでは絶食によって重い低血糖を起こす危険があります。飼い主様の判断で絶食させず、検査前の食事については必ず動物病院の指示に従ってください。

④ 治療方法について

インスリノーマの治療には、大きく分けて内科治療と外科治療があります。

● 内科治療

主に低血糖をコントロールするためのお薬を使用します。

代表的な薬剤には、プレドニゾロンやジアゾキシドがあります。

これらのお薬は血糖値を維持するために使用されますが、腫瘍そのものを取り除く治療ではありません。

定期的に血糖値を確認しながら、症状に応じて投薬量を調整していきます。

● 外科治療

手術によって、確認できる腫瘍を切除する方法です。

腫瘍の状態によっては、膵臓の一部を切除することもあります。

手術により低血糖症状の改善や、内科治療への依存を減らせる可能性があります。

ただし、フェレットのインスリノーマは複数の小さな病変が存在することもあり、手術後に再発するケースもあります。

年齢や全身状態、合併症などを考慮し、適切な治療方法を検討します。

⑤ ご家庭で気をつけたいこと

インスリノーマと診断されたフェレットでは、食事管理や日々の体調観察も重要です。

食事のポイント

  • 長時間の空腹を避ける
  • 良質な動物性タンパク質を中心としたフェレットに適した食事を与える
  • 糖分の多いおやつや甘い食品を日常的に与えない
  • 食欲が低下した場合は早めに相談する

フェレットは本来肉食性の動物です。適切な食事を維持しながら、血糖値の急激な変動を避けることが大切です。

また、ふらつきや元気の低下などの症状が現れた時間、食事との関係、症状の持続時間を記録しておくと、診察時の参考になります。

⑥ 低血糖発作が起きたら?

突然ぐったりしたり、けいれんを起こしたりした場合は、重度の低血糖の可能性があります。

低血糖発作は緊急対応が必要な状態です。

意識がはっきりしていて、自分で飲み込める場合でも、無理に食べ物や飲み物を与えず、すぐに動物病院へ連絡してください。

意識が低下している場合やけいれんしている場合は、口から液体や食べ物を流し込まないでください。誤嚥や窒息につながる危険があります。

動物病院から事前に緊急時の指示を受けている場合には、その指示に従って対応してください。

一時的に症状が改善した場合でも、低血糖を繰り返す危険があるため、速やかな受診が必要です。

⑦ 早期発見が大切です!

インスリノーマは、初期には症状が目立たないことも多い病気です。

「最近よく寝るようになった」「少し後ろ足が弱くなった気がする」といった変化が、病気を発見するきっかけになることもあります。

中高齢のフェレットでは、定期的な健康診断や血糖値のチェックをおすすめします。

フェレットの小さな体調の変化を見逃さず、気になる症状があれば早めに動物病院へご相談ください。

適切な治療と日常管理によって、症状をコントロールしながら生活できるフェレットも多くいます。