2026.11.07

フェレットの毛が薄くなってきた、お腹が膨らんでいる、最近かゆがることが増えた……。
そんな症状が見られたら、**「副腎疾患」**という病気が隠れているかもしれません。
フェレットの副腎疾患は、中高齢のフェレットで比較的よく見られるホルモンの病気です。
今回は、その原因や症状、検査、治療について解説します。
副腎は、左右の腎臓の近くにある小さな臓器で、さまざまなホルモンを分泌しています。
犬のクッシング症候群では、主に「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されます。
一方、フェレットの副腎疾患では、エストラジオールやアンドロステンジオンなどの性ホルモンが過剰に分泌されることが特徴です。
副腎の過形成や腫瘍などによってホルモンのバランスが崩れ、さまざまな症状が現れます。
フェレットの副腎疾患では、次のような症状が見られます。
特に注意したいのが、オスの排尿障害です。
尿が出なくなると命に関わることがあるため、何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない場合は、すぐに動物病院を受診してください。
フェレットの副腎疾患には、若齢期の避妊・去勢手術や、光周期(明るい時間と暗い時間の長さ)の変化などが関係していると考えられています。
避妊・去勢によって性腺からのホルモン分泌がなくなると、脳から分泌されるホルモンが副腎を刺激し続け、性ホルモンの過剰分泌につながると考えられています。
ただし、発症には複数の要因が関係しており、原因のすべてが解明されているわけではありません。
副腎疾患が疑われる場合には、症状や身体検査に加えて、次のような検査を行います。
① 超音波検査(エコー検査)
左右の副腎の大きさや形、周囲の血管との位置関係などを確認します。
ただし、副腎が大きくなっていなくても病気が存在することがあるため、エコー検査だけでは判断できない場合もあります。
② 血液検査
貧血や血糖値、肝臓・腎臓の状態などを確認し、全身状態やほかの病気の有無を調べます。
③ ホルモン検査
必要に応じて、性ホルモンの濃度を測定します。
一般的な犬のクッシング症候群で用いられる検査とは異なるため、フェレットに適した検査を選ぶことが重要です。
フェレットの副腎疾患には、主に内科治療と外科治療があります。
① 内科治療
リュープロレイン、デスロレリン製剤などを使用して、ホルモンの分泌を抑え、脱毛やかゆみ、陰部の腫れなどの症状を改善させます。
体への負担が比較的小さく、高齢のフェレットや手術が難しい場合にも選択肢となります。
ただし、腫瘍そのものを取り除く治療ではないため、定期的な診察や継続的な治療が必要になることがあります。
② 外科治療
異常のある副腎を手術で摘出する方法です。
病変の位置や広がりによっては根本的な治療が期待できますが、特に右側の副腎は大きな血管に近く、手術が難しい場合があります。
年齢や全身状態、画像検査の結果などを考慮して治療方法を決定します。
フェレットの副腎疾患は、初期には尻尾の毛が少し薄くなる程度の変化しか見られないこともあります。
「換毛期だから」「年齢のせいかな」と思っているうちに、症状が進行してしまう場合もあります。
脱毛があるからといって必ず副腎疾患とは限りませんが、早めに原因を調べることが大切です。
フェレットの副腎疾患は、中高齢でよく見られるホルモンの病気です。
特に、尻尾や背中の脱毛、かゆみ、陰部の腫れ、排尿の異常は見逃したくないサインです。
早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の改善や生活の質の維持が期待できます。
気になる症状がある場合は、早めに動物病院へご相談ください。