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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

小鳥に多い消化器の病気とは?症状・原因・予防方法を獣医師が解説

小鳥は体が小さく、病気になっても症状を隠そうとする習性があります。そのため、飼い主さんが異変に気づいたときには、すでに病気が進行していることも少なくありません。

特に消化器の病気は、食欲の低下や体重減少、便の異常など、日常生活の中で気づけるサインが多いのが特徴です。

今回は、小鳥によくみられる代表的な消化器疾患と、早期発見のポイントについてご紹介します。

1.メガバクテリア症(マクロラブダス症)

セキセイインコをはじめとする小鳥で重要な消化器疾患の一つです。

原因

マクロラブダス(Macrorhabdus ornithogaster)という真菌が、主に胃の一部に感染することで起こります。

以前は「メガバクテリア」と呼ばれていましたが、現在は細菌ではなく真菌に分類されています。

主な症状

  • 食欲があるのに痩せていく

  • 食べた餌を吐き戻す

  • 便に未消化の種子が混じる

  • 元気がなくなり、羽を膨らませる

  • 黒っぽい便が出ることがある

治療

抗真菌薬による治療が中心です。糞便検査などで診断しますが、感染していても検査で検出されない場合があり、複数回の検査が必要になることもあります。

ポイント: 症状のない鳥でも感染していることがあるため、特にお迎えしたばかりの小鳥では健康診断が大切です。

2.そのう炎(嗉嚢炎)

そのうとは、食道の途中にある、食べ物を一時的に蓄える袋状の器官です。

そのう炎は、この部分に炎症が起こる病気です。

主な原因

細菌や真菌(カンジダなど)の増殖、餌の停滞、不適切な挿し餌などが関係します。

特に挿し餌中の雛では注意が必要です。

主な症状

  • 頻繁に吐き戻す

  • そのうに餌が長時間残る

  • 口から異臭がする

  • 食欲や元気が低下する

  • 体重が減少する

治療

そのう液の検査などで原因を調べ、必要に応じて抗菌薬や抗真菌薬を使用します。餌の温度や与え方など、飼育環境の見直しも重要です。

ポイント: 雛のそのうに餌が長時間残っている場合は、無理に追加の挿し餌をせず、早めに動物病院へ相談しましょう。

3.カンジダ症

カンジダ症は、カンジダ属の真菌が口腔内やそのうなどで過剰に増殖することで起こる病気です。

主な原因

免疫力の低下、抗菌薬の使用、衛生状態の悪化、挿し餌の管理不良などが発症に関係することがあります。

主な症状

  • 吐き戻し

  • 食欲不振

  • そのうの動きが悪くなる

  • 口腔内に白っぽい病変ができることがある

  • 体重減少

治療

検査でカンジダの関与を確認し、必要に応じて抗真菌薬を使用します。飼育環境や基礎疾患への対応も欠かせません。

ポイント: カンジダは健康な鳥から検出されることもあるため、検出されたという理由だけで病気と判断するわけではありません。

4.トリコモナス症

トリコモナスという原虫が感染する病気で、文鳥やフィンチ類などでも注意が必要です。

主な原因

感染した鳥との接触や、汚染された餌・水などを介して感染することがあります。

主な症状

  • 吐き戻し

  • 食欲低下

  • 飲み込みにくそうにする

  • 口腔内や咽頭に病変ができることがある

  • 体重減少

治療

そのう液や口腔内の検体を顕微鏡で調べ、原虫の有無を確認します。感染が認められた場合は、原虫に対する薬を使用します。

ポイント: 複数の鳥を飼育している場合は、感染拡大を防ぐための衛生管理も重要です。

5.細菌性腸炎

腸内で病原性のある細菌が増殖することなどにより、腸に炎症が起こる病気です。

主な原因

病原性細菌への感染や、食餌・飼育環境の問題、ほかの病気に伴う腸内環境の変化などが関係します。

主な症状

  • 便が軟らかくなる

  • 便の色や臭いが変化する

  • 食欲低下

  • 元気がなくなる

  • 体重減少

治療

糞便検査などを行い、必要に応じて細菌培養検査や薬剤感受性検査を実施します。原因に応じて抗菌薬や支持療法を検討します。

ポイント: 小鳥の水っぽい排泄物は、必ずしも下痢とは限りません。尿量が増える「多尿」と区別することが大切です。

6.消化管内異物・金属中毒

小鳥はくちばしでさまざまな物をかじるため、異物を飲み込んでしまうことがあります。

特に鉛や亜鉛を含む金属製品には注意が必要です。

主な原因

アクセサリー、金属部品、古い塗料、ケージの部品などをかじることで、金属を摂取してしまう場合があります。

主な症状

  • 吐き戻し

  • 食欲低下

  • 便の異常

  • 元気消失

  • ふらつきやけいれんなどの神経症状

治療

レントゲン検査や血液検査などを行い、原因を調べます。状態に応じて異物の除去、点滴、金属中毒に対する治療などを実施します。

ポイント: 金属中毒は命に関わることがあります。突然の嘔吐や神経症状が見られた場合は、速やかな受診が必要です。

7.小鳥の消化器疾患を早期発見するために

小鳥の病気を早期に発見するには、毎日の観察が何よりも大切です。

特に次のような変化がないか確認しましょう。

毎日の体重測定:急な体重減少がないか

便の観察:色、形、量、未消化物の有無

食欲の確認:食べる量が減っていないか

行動の変化:羽を膨らませたり、眠っている時間が増えていないか

吐き戻しの有無:普段と違う吐き戻しがないか

特に、食べているのに痩せる、便に未消化の餌が混じる、何度も吐くといった症状は、消化器疾患の重要なサインです。

また、鳥の排泄物は便・尿・尿酸が一緒に排出されます。水分が多い場合でも、腸の病気による下痢とは限らないため、検査による判断が必要です。

8.こんな症状があれば早めに動物病院へ

次のような症状がある場合は、様子を見ずに鳥の診療が可能な動物病院に相談しましょう。

  • 食欲がほとんどない

  • 何度も吐いている

  • 羽を膨らませ、じっとしている

  • 急激に体重が減少している

  • 黒いタール状の便や血便が出ている

  • ふらつきやけいれんがある

特に、食べられずにぐったりしている場合や、けいれんがある場合は緊急性が高くなります。

自己判断で人間用の薬を与えたり、弱っている鳥に無理やり餌や水を飲ませたりすることは避けてください。

まとめ|小鳥の健康を守るために

小鳥の消化器疾患には、メガバクテリア症、そのう炎、カンジダ症、トリコモナス症、細菌性腸炎など、さまざまな病気があります。

これらの病気は、早期に発見して適切な治療を行うことが大切です。

日頃から体重や便の状態を観察し、少しでも気になる変化があれば、早めに動物病院へご相談ください。

また、症状がなくても感染している病原体が存在するため、新しく小鳥をお迎えした際の健康診断もおすすめします。

大切な小鳥が元気に長生きできるよう、毎日の健康チェックを心がけましょう。