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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

猫の肉球がぷよぷよに腫れている?「形質細胞性足皮膚炎(ピローフット)」について

 

今回は、猫の肉球に特徴的な変化が現れる「形質細胞性足皮膚炎(けいしつさいぼうせいそくひふえん)」という病気をご紹介します。

■ 形質細胞性足皮膚炎とは?

形質細胞性足皮膚炎(Feline Plasma Cell Pododermatitis)は、猫の肉球に炎症が起こり、腫れや変色が生じる比較的珍しい病気です。

肉球がクッションのように柔らかく膨らむことから、英語では「Pillow Foot(ピローフット)」とも呼ばれています。

原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫系の異常な反応が関与していると考えられています。

■ どんな症状が出るの?

代表的な症状には、次のようなものがあります。

  • 肉球がぷよぷよと柔らかく腫れる
  • 肉球が紫色〜赤紫色に変色する
  • 肉球の表面に白い線状模様が現れる
  • 表面がカサカサしたり、ひび割れたりする
  • 進行すると潰瘍や出血が起こることがある

複数の足に症状が現れることが多いですが、1本の足だけに発生する場合もあります。

また、初期には痛みがほとんどなく、普段どおり歩いていることも珍しくありません。

■ 今回の猫ちゃんの症例

今回診察した猫ちゃんでは、1本の足の肉球に特徴的な変化が認められました。

肉球は紫灰色に変色し、表面には白っぽい線状模様や角質の変化が見られました。

触るとぷよぷよと柔らかく腫れていましたが、痛みは認められませんでした。

これらの所見から、形質細胞性足皮膚炎が疑われました。

ただし、同じような変化はほかの炎症性疾患や腫瘍などでも起こるため、外観だけで確定診断することはできません。

■ どうやって診断するの?

肉球の見た目や触診所見、ほかの足にも症状があるかなどを確認します。

必要に応じて、細胞診や皮膚の一部を採取する病理組織検査を行います。

また、この病気では猫免疫不全ウイルス(FIV)陽性の猫が比較的多いことが報告されており、FIV・FeLV検査を検討する場合もあります。

■ 治療方法は?

症状の程度によって治療方針が異なります。

軽症で痛みや潰瘍がない場合には、慎重に経過観察することもあります。

治療が必要な場合には、ドキシサイクリンという抗菌薬が用いられることがあります。この薬には抗菌作用だけでなく、炎症や免疫反応を調節する作用もあります。

改善までに数週間以上かかることがあり、難治例では免疫抑制療法などを検討します。

■ 飼い主さんに知っておいてほしいこと

猫ちゃんの肉球は普段あまりじっくり観察する機会がないかもしれません。

しかし、肉球の色や形、柔らかさの変化は、病気を発見する大切なサインです。

特に「肉球がぷよぷよしている」「紫色に変わっている」「以前より大きくなっている」といった変化があれば、一度動物病院で確認することをおすすめします。

痛がっていなくても、病気が隠れている場合があります。

日頃のスキンシップの際に、ぜひ猫ちゃんの肉球もチェックしてみてくださいね!