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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

猫の問題行動⑤  同居猫同士が突然ケンカするようになったら

「今まで仲良く暮らしていたのに、急にケンカをするようになった」とのご相談をお受けしましたので、対処法をまとめてみました。

猫同士のトラブルは、単なる「仲の悪さ」だけが原因とは限りません。猫の性格や生活環境、体調の変化など、さまざまな原因が関係しています。早めに原因を見つけて環境を整えることで、猫同士の関係が改善することもあります。

猫はもともと、自分の縄張りや生活スペースを大切にする動物です。

同じ家で暮らしていても、

  • ごはんやトイレを取り合っている
  • お気に入りの寝場所を奪われた
  • 新しい猫が家にやって来た
  • 引っ越しや模様替えがあった
  • 動物病院やペットホテルから帰宅し、いつもと違うにおいがする
  • 性格や活動量が合わない
  • 病気や痛みによってイライラしている

また、若い猫では遊びの延長で相手を追いかけることがあります。一方、未去勢の男の子では、縄張り意識やホルモンの影響が攻撃行動に関係する場合もあります。

猫同士が追いかけたり、取っ組み合ったりしていても、必ずしもケンカとは限りません。

遊びの場合は、

✓ 追いかける側と追いかけられる側が途中で入れ替わる
✓ 遊んだ後も同じ部屋で落ち着いて過ごせる
✓ ケガをしない
✓ 一方の猫だけが逃げ続けることはない

といった様子がみられます。

一方で、

⚠ 一方の猫だけが執拗に追いかけられる
⚠ 「シャー!」「ウー!」と激しく威嚇する
⚠ 耳を後ろに倒し、毛やしっぽを大きく膨らませる
⚠ 逃げた猫を追い詰める
⚠ トイレや食事に行けなくなる
⚠ 隠れたまま出てこない
⚠ ケガをする

このような場合は、本気のケンカや強いストレスが疑われます。

猫同士のトラブルを放置すると、ケガだけでなく、食欲低下や粗相、膀胱炎などの体調不良につながることもあります。

猫同士が激しく争っている場合は、まず安全を確保しましょう。

ただし、興奮している猫を素手で抱き上げたり、手で引き離したりするのは危険です。飼い主さんが咬まれたり、引っかかれたりする可能性があります。

厚手の毛布やクッション、大きな段ボールなどを猫同士の間に入れ、視線を遮りながら安全に離しましょう。

その後は、それぞれを別の静かな部屋で休ませます。

興奮が続いている間は、無理に仲直りさせようとせず、数時間から数日間、生活スペースを分けることも大切です。

猫が安心して暮らせる環境を作りましょう

多頭飼いでは、「みんなで仲良く共有する」よりも、「それぞれが自分の場所を選べる」環境が重要です。

ごはん、水、トイレ、寝床などは、複数の場所に分けて設置しましょう。

特にトイレは、

猫の頭数+1個

がひとつの目安です。

例えば、猫が2頭ならトイレは3個、3頭なら4個を用意します。

ただし、トイレをすべて隣に並べると、猫にとっては「大きなトイレが1か所ある」のと同じように感じることがあります。できるだけ離れた場所に分けて設置しましょう。

また、

✓ 高い場所に登れるキャットタワー
✓ 一匹で静かに休める寝床
✓ 相手と顔を合わせずに移動できる通り道
✓ 追いかけられたときに逃げ込める場所

を用意することも大切です。

猫が安心して暮らすためには、安全な場所や食事、トイレなどの大切な資源を複数用意し、遊びや休息の機会を確保することが推奨されています。

一度仲が悪くなった猫を、再び慣れさせるには?

猫同士を無理に近づけると、さらに関係が悪化することがあります。

まずは別々の部屋で生活させ、お互いが落ち着いて過ごせる状態を作ります。

その後、

  1. お互いが使ったタオルや毛布を交換する
  2. 閉じたドア越しに、おやつやごはんを与える
  3. 十分に離れた場所から、短時間だけ姿を見せる
  4. 落ち着いていられたら、少しずつ距離を近づける

というように、ゆっくり慣らしていきます。

相手の姿を見ても食事ができる、遊べる、リラックスできることが次の段階へ進む目安です。

途中で威嚇や追いかけが始まった場合は、無理に続けず、猫が落ち着いていた前の段階に戻りましょう。再び慣れるまでには、数週間から数か月かかることもあります。

猫用フェロモン製品も選択肢のひとつ

猫が安心するときに出すフェロモンを利用した製品があり、多頭飼いでの緊張やストレスを和らげる目的で使用されることがあります。

ただし、フェロモン製品だけですべての問題が解決するわけではありません。

トイレや食事場所、逃げ場所などの生活環境を整えたうえで、補助的に使用することが大切です。

病気や痛みが隠れていることもあります

「今まで仲が良かったのに、突然怒るようになった」このような場合は、体調の変化にも注意が必要です。

関節の痛み、歯の痛み、皮膚の不快感、内臓の病気などによって、触られることや他の猫が近づくことを嫌がる場合があります。

また、攻撃されている猫にも、食欲低下や排尿トラブルなどが起きることがあります。

突然性格が変わったように感じる場合は、「性格の問題」と決めつけず、一度動物病院で健康状態を確認しましょう。

お薬による治療が必要な場合も

環境を整えても強い不安や攻撃行動が続く場合は、行動療法とあわせて、不安を和らげるお薬を使用することがあります。

ただし、お薬は猫の性格を変えたり、無理におとなしくさせたりするためのものではありません。

不安や緊張を軽減し、新しい環境や相手の猫に慣れるためのサポートとして使用します。

薬の種類や量は、猫の年齢や体調、行動の原因によって異なります。人用のお薬やサプリメントを自己判断で与えず、必ず獣医師にご相談ください。

猫同士は、必ず仲良しになる必要はありません

多頭飼いでは、「一緒に寝るほど仲良くなってほしい」と思う飼い主さんも多いかもしれません。しかし、すべての猫が仲良しになれるとは限りません。お互いを無理に近づけなくても、「同じ家の中で、それぞれが安心して生活できる」ことも大切なゴールです。猫同士の関係改善には時間がかかることがあります。焦らず、それぞれの猫が安心できる距離を大切にしましょう。

まとめ

猫同士のケンカには、縄張り、生活環境、性格、年齢、体調など、さまざまな原因が関係しています。

大切なポイントは、

  • 激しいケンカは素手で止めない
  • 一方的な追いかけや威嚇を放置しない
  • ごはん、水、トイレ、寝床を複数用意する
  • 高い場所や逃げ場所を作る
  • 無理に仲直りさせない
  • 少しずつ時間をかけて再び慣らす
  • 突然の攻撃行動では病気や痛みも疑う

ことです。

猫同士の関係が急に悪くなった、ケガをした、食欲がない、隠れて出てこない、トイレを我慢しているなどの変化がみられた場合は、早めに動物病院へご相談ください。