2026.09.26

↑ (写真のひょうたん型に見えるのが発芽したマラセチア酵母菌です。パンや酒・味噌を発酵させる菌の仲間なので、独特な発酵臭がします。)

耳介や耳道の皮膚が肥厚し、脂漏が見られ、酸臭がします。外耳炎を繰り返すと耳道の皮膚がさらに肥厚し、狭くなり、改善が難しくなります。最終的に痒みを取るために全耳道切除という外科手術を行わなくてはならなくなります。
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「最近、耳が臭う」「茶色い耳垢が増えてきた」という場合、マラセチア性外耳炎を発症している可能性があります。
今回は、犬によく見られるマラセチア性外耳炎について、原因や症状、治療方法、日常生活での注意点をご紹介します。
マラセチアは、犬の皮膚や耳の中にもともと存在している酵母様真菌(カビの仲間)です。
健康な犬にも存在する微生物ですが、耳の中の環境が変化してマラセチアが過剰に増殖すると、炎症を引き起こすことがあります。
これが「マラセチア性外耳炎」です。
特に、アレルギーなどによって耳に炎症が起きている場合や、耳の中が蒸れやすい犬では注意が必要です。
マラセチア性外耳炎では、次のような症状が見られることがあります。
特に、耳のかゆみ・臭い・耳垢の増加は、飼い主様が気づきやすい変化です。
ただし、これらの症状は細菌性外耳炎などでも見られるため、見た目だけで原因を判断することはできません。
マラセチア性外耳炎は、単に耳が汚れているから発症するわけではありません。
主に次のような要因が関係しています。
① アレルギー
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどが原因で耳に炎症が起こり、マラセチアが増殖しやすくなることがあります。
② 耳の構造や湿気
垂れ耳や耳道が狭い犬では、耳の中が蒸れやすく、外耳炎の発症に関係する場合があります。
③ その他の基礎疾患
ホルモンの異常や皮膚疾患などが関係していることもあります。
外耳炎を何度も繰り返す場合には、マラセチアの増殖を抑えるだけでなく、その背景にある原因を調べることが重要です。
動物病院では、耳の状態を確認するとともに、耳垢を採取して顕微鏡で観察します。
この検査を「耳垢検査(細胞診)」といいます。
マラセチアは顕微鏡で観察すると、ピーナッツのような特徴的な形をしています。
検査によってマラセチアや細菌の増殖状況を確認し、適切な治療方法を判断します。
必要に応じて耳鏡検査を行い、耳道の炎症や鼓膜の状態なども確認します。
治療では、主に次のような方法を組み合わせます。
① 耳の洗浄
耳垢や分泌物が多い場合は、耳の状態に合わせて洗浄を行います。
ただし、炎症が強い場合や鼓膜に異常がある場合には、使用できる洗浄液や洗浄方法が限られます。
② 点耳薬による治療
マラセチアの増殖を抑える抗真菌薬や、炎症を抑える成分を含んだ点耳薬などを使用します。
症状や検査結果に合わせて適切なお薬を選択します。
③ 原因となる病気の治療
アレルギーなどの基礎疾患がある場合には、その治療も重要です。
耳の症状が改善しても、マラセチアが十分に減少していないことがあります。
自己判断で治療を中止せず、獣医師の指示に従って再診することが大切です。
外耳炎の予防や再発防止のために、日頃から愛犬の耳を観察しましょう。
特に注意したいのが、耳掃除の方法です。
耳垢が気になるからといって、綿棒を耳の奥まで入れたり、頻繁に洗浄したりすると、かえって耳を傷つけてしまうことがあります。
また、市販の洗浄液や以前処方された点耳薬を自己判断で使用することも避けましょう。
健康な耳では、必ずしも定期的な洗浄が必要とは限りません。
愛犬の耳の状態に合ったケア方法については、獣医師にご相談ください。
マラセチア性外耳炎は、適切な治療によって改善が期待できる病気です。
しかし、アレルギーなどの基礎疾患が残っている場合には、再発を繰り返すことがあります。
慢性化すると耳道の皮膚が厚くなったり、耳道が狭くなったりして、治療が難しくなる場合もあります。
そのため、症状が軽いうちに治療を開始し、必要に応じて再発の原因を調べることが大切です。
マラセチア性外耳炎は、犬によく見られる耳の病気の一つです。
耳のかゆみや臭い、耳垢の増加などは、外耳炎のサインかもしれません。
放置すると炎症が悪化したり、慢性化したりすることもあります。
「いつもより耳が臭う」「最近よく耳をかいている」など、少しでも気になる症状がありましたら、お早めに動物病院へご相談ください。
愛犬が快適に過ごせるよう、日頃から耳の健康状態をチェックしてあげましょう。