2026.09.28

愛猫が突然、首を伸ばして「ケホケホ」と咳き込んでいる姿を見たことはありませんか?
毛玉を吐こうとしているように見えるその動作は、もしかすると「猫の喘息」のサインかもしれません。
猫の喘息は、気管支に慢性的な炎症が起こり、呼吸が苦しくなる病気です。軽い咳だけの場合もありますが、重症化すると命に関わることもあります。
今回は、猫の喘息の原因や症状、治療方法についてご紹介します。
猫の喘息は、空気の通り道である気管支にアレルギー性の炎症が起こる病気です。
健康な猫の気管支は空気がスムーズに通りますが、喘息になると気管支の粘膜が腫れたり、周囲の筋肉が収縮したりして、空気の通り道が狭くなります。
さらに、気管支内に粘液が増えることで呼吸がしづらくなり、咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)などの症状が現れます。
猫の喘息は、若齢から中年齢の猫で診断されることが多いものの、どの年齢でも発症する可能性があります。
猫の喘息では、次のような症状が見られます。
特に注意していただきたいのが、毛玉を吐く動作と喘息による咳の違いです。
猫が首を伸ばし、体を低くして「ケホケホ」と繰り返す動作は、毛玉を吐こうとしているように見えることがあります。
しかし、何も吐き出さずに咳だけが続く場合には、喘息などの呼吸器疾患が隠れている可能性があります。
もちろん、咳の原因は喘息だけではありません。症状だけで判断することは難しいため、繰り返す場合は動物病院で検査を受けましょう。
また、症状が出ている様子をスマートフォンで動画撮影していただくと、診断の参考になります。ただし、呼吸が苦しそうな場合は撮影よりも受診を優先してください。
猫の喘息には、空気中のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が関係していると考えられています。
例えば、次のようなものが症状を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。
ただし、原因となる物質を特定できないことも少なくありません。
日頃から室内環境を清潔に保ち、猫が吸い込む刺激物をできるだけ減らすことが大切です。
猫の喘息を診断するためには、症状やこれまでの経過を確認し、必要に応じて検査を行います。
主な検査には、胸部レントゲン検査や血液検査などがあります。
レントゲン検査では、気管支の壁が厚くなっていないか、肺が過度に膨らんでいないかなどを確認します。
ただし、喘息でもレントゲン画像に明らかな異常が見られない場合があります。
また、猫の咳や呼吸困難は、慢性気管支炎、肺炎、寄生虫感染などでも起こります。
そのため、ほかの病気の可能性も考慮しながら総合的に診断することが重要です。
必要に応じて、気管支内の細胞を調べる検査などを行う場合もあります。
なお、呼吸困難がある場合は、検査よりも呼吸状態を安定させる治療を優先します。
猫の喘息は、基本的には長期的な管理が必要な病気です。
完全に治すことは難しいものの、適切な治療によって症状を抑え、良好な生活を維持できる猫も多くいます。
主な治療には、次のようなものがあります。
① ステロイドによる抗炎症治療
喘息治療で特に重要なのが、気管支の炎症を抑えることです。
ステロイド剤を内服または吸入することで、気管支の炎症を抑え、症状の改善を目指します。
② 気管支拡張薬
狭くなった気管支を広げ、呼吸を楽にするために使用することがあります。
ただし、気管支拡張薬だけでは気管支の炎症を十分に抑えられないため、通常は抗炎症治療と組み合わせて使用します。
③ 吸入治療
猫専用の吸入補助器具を使い、薬剤を直接気道に届ける治療方法です。
吸入ステロイドは、内服薬と比較して全身への影響を抑えられる可能性があり、長期的な管理に役立ちます。
ただし、吸入治療には猫の慣れが必要で、薬の種類によっては効果が安定するまで時間がかかります。
猫の性格や症状に合わせて、適切な治療方法を選択することが大切です。
喘息の猫と暮らすうえで大切なのは、気管支への刺激をできるだけ減らすことです。
日頃から次の点を心がけましょう。
また、症状が落ち着いたからといって、自己判断で薬を中止しないことも重要です。
気管支の炎症が残っていると、再び発作を起こす可能性があります。
定期的に診察を受けながら、適切な治療を継続しましょう。
猫の喘息では、突然激しい発作を起こすことがあります。
特に、次のような症状が見られた場合は緊急性が高いため、すぐに動物病院を受診してください。
呼吸が苦しい猫は、抱き上げたり無理に動かしたりすることで状態が悪化する可能性があります。
できるだけ興奮させず、動物病院に連絡して速やかに受診しましょう。
猫の喘息は、早期発見と適切な治療によって、症状をコントロールできる可能性がある病気です。
特に、毛玉を吐こうとしているような咳を繰り返している場合は注意が必要です。
「毛玉が出ないだけかな?」「たまに咳をするけれど元気だから大丈夫かな?」
そう思っていた症状が、実は呼吸器の病気のサインかもしれません。
愛猫の咳や呼吸について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。