2026.10.15

愛犬や愛猫の白目や耳の内側が、いつもより黄色く見えたことはありませんか?
このような症状は「黄疸(おうだん)」と呼ばれ、肝臓や胆のう、血液などの異常によって起こることがあります。
黄疸は、それ自体が病気というわけではなく、体の中で何らかの異常が起きていることを知らせる重要なサインです。
今回は、犬猫の黄疸の原因や症状、検査、治療について解説します。
黄疸とは、血液中の「ビリルビン」という黄色い色素が増加し、皮膚や粘膜などが黄色くなる状態です。
ビリルビンは、主に古くなった赤血球が分解される際に作られます。通常は肝臓で処理され、胆汁とともに腸へ排泄されます。
しかし、赤血球が過剰に壊れたり、肝臓の働きが低下したり、胆汁の流れが悪くなったりすると、ビリルビンが体内に蓄積して黄疸が起こります。
犬猫では、次のような場所に黄色い変化が現れることがあります。
また、尿の色が濃い黄色やオレンジ色になることもあります。
ただし、見た目だけで黄疸を判断することは難しく、血液検査などによる確認が必要です。
黄疸は、発生する仕組みによって大きく3つに分類されます。
赤血球が通常よりも大量に破壊され、肝臓で処理できる量を超えるビリルビンが作られることで起こります。
主な原因には、以下のような病気があります。
特に免疫介在性溶血性貧血では、急激な貧血や黄疸が起こり、命に関わることもあります。
肝臓自体に障害が起こり、ビリルビンを正常に処理・排泄できなくなることで生じます。
主な原因としては、
などが挙げられます。
特に猫では、食欲不振が数日続くことで肝リピドーシスを発症することがあり、注意が必要です。
肝臓で作られた胆汁が、胆のうや胆管の異常によって正常に流れなくなることで起こります。
主な原因には、
などがあります。
犬の胆のう粘液嚢腫では、胆のうの破裂や胆汁性腹膜炎など、緊急手術が必要な状態になることもあります。
黄疸が起きている犬猫では、原因となる病気によって次のような症状が見られることがあります。
特に、黄疸に加えて食欲不振や元気消失、嘔吐などが見られる場合は、重い病気が隠れている可能性があります。
黄疸の原因を調べるためには、いくつかの検査を組み合わせることが重要です。
① 血液検査
ビリルビン値、肝酵素(ALT、AST、ALP、GGTなど)、赤血球数、貧血の有無などを調べます。
② 腹部超音波検査(エコー検査)
肝臓、胆のう、胆管、膵臓などの状態を確認します。胆のう粘液嚢腫や胆管の拡張、腫瘍などを調べるうえで重要な検査です。
③ その他の検査
必要に応じて尿検査、血液凝固検査、感染症検査、レントゲン検査、CT検査などを行うことがあります。
黄疸の原因は一つとは限らないため、検査結果を総合的に判断することが大切です。
黄疸の治療は、原因となっている病気によって大きく異なります。
例えば、免疫介在性溶血性貧血では免疫抑制治療や輸血、肝臓の病気では原因に応じた内科治療、胆道閉塞では外科手術などが必要になる場合があります。
また、脱水や栄養状態の悪化が見られる場合には、点滴や栄養管理などの支持療法も重要です。
黄疸を改善するためには、単にビリルビンの数値を下げるのではなく、その原因を特定して適切に治療することが必要です。
黄疸は、危険な症状で、早期発見・原因究明・早期治療がとても重要な症状です。
犬猫は被毛に覆われているため、皮膚の色の変化に気づきにくいことがあります。
普段から白目や耳の内側、歯ぐきの色を観察しておくと、小さな変化に気づくきっかけになります。
また、特に猫では、食欲不振を放置しないことが大切です。
目や皮膚が黄色く見える場合は、元気があってもその日のうちに動物病院へ相談してください。 ぐったりしている、呼吸が速い、繰り返し吐くなどの症状がある場合は、緊急の受診が必要です。
犬猫の黄疸は、肝臓の病気だけでなく、貧血や胆のう・胆管の異常など、さまざまな原因で起こります。
見た目だけでは原因を判断できず、中には急速に悪化する病気もあります。
日頃から愛犬・愛猫の目や粘膜の色、食欲、元気などを観察し、気になる変化があれば早めに動物病院を受診しましょう。
大切な家族の健康を守るために、小さな変化を見逃さないことが大切です。