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萩園どうぶつ日和STAFF BLOG

犬猫が同じ場所をずっと舐めている?「舐性皮膚炎」とストレスの関係

愛犬や愛猫が、前足やお腹など同じ場所を何度も舐めていることはありませんか?

犬や猫にとって、体を舐めることは自然な行動です。しかし、必要以上に舐め続けることで毛が抜けたり、皮膚が赤くなったり、傷ができてしまうことがあります。

今回は、こうした過剰な舐め行動によって起こる「舐性皮膚炎」についてご紹介します。

■ 舐性皮膚炎とは?

舐性皮膚炎とは、同じ場所を繰り返し舐めることで皮膚に炎症が起こる状態です。

犬では、特に前足や手首付近を繰り返し舐めることで、皮膚が厚く硬くなる「肢端舐性皮膚炎(舐性肉芽腫)」がみられます。

猫では、お腹や内股、前足などを過剰に舐めることで、毛が薄くなったり、脱毛したりすることがあります。

原因はさまざまですが、ストレスや不安などの心理的な要因が関係しているケースもあります。

■ なぜストレスで体を舐めるの?

犬や猫にとって、体を舐める行動には気持ちを落ち着かせる役割があると考えられています。

例えば、次のような環境の変化がストレスにつながることがあります。

  • お留守番の時間が長くなった
  • 引っ越しや模様替えなどで生活環境が変わった
  • 新しい家族やペットが増えた
  • 運動や遊びの時間が不足している
  • 騒音や来客などで落ち着けない
  • 飼い主様との生活リズムが変わった

こうした不安や退屈などをきっかけに、体を舐める行動が増える場合があります。

また、繰り返し舐めることが習慣化し、皮膚に炎症が起きることでさらに気になって舐めてしまう、という悪循環に陥ることもあります。

■ ストレスだけが原因とは限りません!

ここが非常に重要なポイントです。

同じ場所を繰り返し舐めているからといって、必ずしも心因性とは限りません。

実際には、次のような病気が隠れていることがあります。

  • アトピー性皮膚炎や食物アレルギー
  • ノミなどの外部寄生虫
  • 細菌や真菌による皮膚感染症
  • 関節炎や外傷などによる痛み
  • 神経の異常による違和感
  • 猫の膀胱炎などによる下腹部の不快感

特に猫では、かゆみや痛みが原因で過剰なグルーミングをしていることも少なくありません。

そのため、心理的な問題と判断する前に、身体的な病気がないかを確認することが大切です。

■ どんな症状がみられるの?

次のような変化がみられたら注意しましょう。

  • 特定の場所ばかり舐めている
  • 前足やお腹の毛が薄くなっている
  • 皮膚が赤くなっている
  • 舐めている部分の毛が茶色く変色している
  • 皮膚が厚く硬くなっている
  • 出血やかさぶたができている

犬では前足に慢性的な皮膚病変ができることがあり、猫では皮膚に目立った赤みがなくても、毛が短く切れたような脱毛がみられる場合があります。

■ 治療はどうするの?

治療では、皮膚の状態だけでなく、舐める原因を見つけることが重要です。

① 身体的な原因を調べる

皮膚検査や必要に応じた追加検査を行い、感染症、アレルギー、痛みなどがないか確認します。

② 皮膚の炎症を治療する

細菌感染や炎症がある場合には、状態に応じて外用薬や内服薬などを使用します。

③ ストレスの原因を減らす

心理的な要因が疑われる場合には、生活環境や日常の過ごし方を見直します。

④ 舐める行動への対策を行う

必要に応じてエリザベスカラーなどで皮膚を保護します。また、行動療法や、不安が強い場合には薬物療法を検討することもあります。

慢性化した舐性皮膚炎では、治療に時間がかかることもあります。

⓹精神安定剤を使用する

場合によっては、精神安定的な効果を期待して薬物療法を行うこともあります。

■ ご家庭でできる予防と対策

心因性の過剰な舐め行動が疑われる場合には、安心して過ごせる環境づくりが大切です。

犬では、散歩や遊び、知育トイなどを活用して、適度な運動と精神的な刺激を増やしましょう。

猫では、隠れられる場所や高い場所を用意し、狩猟本能を満たす遊びの時間を取り入れることが役立ちます。

また、毎日の生活リズムをできるだけ一定に保つことも大切です。

舐めているところを見つけても、叱ったり、無理にやめさせたりしないようにしましょう。 かえって不安を強めてしまうことがあります。

■ まとめ

犬猫が同じ場所を繰り返し舐める行動には、ストレスや不安が関係していることがあります。

しかし、その背景には皮膚のかゆみや体の痛みなど、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。

「最近、同じところばかり舐めている」「毛が薄くなってきた」など、気になる変化があれば、早めに動物病院へご相談ください。

皮膚の状態と生活環境の両方に目を向けることが、改善への第一歩です。