2026.11.01

愛犬の皮膚に、突然赤くて丸いできものを見つけたことはありませんか?
「数日前にはなかったのに、急に大きくなった」「赤くて目立つけれど、痛がっている様子はない」
そんなときに考えられる病気のひとつが、犬の皮膚組織球腫です。
組織球腫は、若い犬に多く見られる良性の皮膚腫瘍で、自然に小さくなって消えることもあるのが特徴です。
今回は、犬の組織球腫の特徴や診断方法、治療についてわかりやすく解説します。
組織球腫は、皮膚に存在する免疫細胞の一種であるランゲルハンス細胞に由来する良性腫瘍です。
特に3歳以下の若い犬で発生しやすいとされていますが、中高齢の犬でも見られることがあります。
一般的には単独で発生し、急速に大きくなることがあります。
組織球腫の特徴
組織球腫は体のさまざまな場所に発生しますが、特に以下の部位でよく見られます。
大きさは1〜2cm程度のことが多いものの、それ以上になる場合もあります。
組織球腫の大きな特徴は、自然に退縮することがあるという点です。
犬自身の免疫反応によって腫瘍が徐々に小さくなり、多くの場合、数週間〜数か月程度で消失します。
一般的には、発生から2〜3か月程度で自然退縮することが多いとされています。
ただし、すべての組織球腫が自然に治るわけではありません。
また、見た目が似ている悪性腫瘍も存在するため、「自然に治るかもしれないから」と自己判断で放置することはおすすめできません。
診断には、主に細胞診という検査を行います。
細い針をしこりに刺して細胞を採取し、顕微鏡で観察する検査です。
組織球腫では、特徴的な円形細胞が確認されます。
ただし、細胞診だけでは確定できない場合もあり、その際には組織を採取して病理組織検査を行うことがあります。
特に注意が必要なのは、肥満細胞腫との区別です。
肥満細胞腫は悪性の性質を示すことがある皮膚腫瘍で、組織球腫とよく似た外観を示す場合があります。
そのため、見た目だけで良性と判断することはできません。
細胞診などで組織球腫が強く疑われ、犬自身が気にしていない場合には、自然退縮を期待して経過観察することがあります。
一方、以下のような場合には外科的切除を検討します。
切除した組織を病理検査に提出することで、より正確な診断につながります。
組織球腫は良性腫瘍であり、一般的に予後は良好です。
しかし、「赤くて丸いできもの=組織球腫」とは限りません。
特に中高齢の犬では、肥満細胞腫をはじめとする他の皮膚腫瘍の可能性も考える必要があります。
また、若い犬だからといって、必ずしも良性とは限りません。
しこりを見つけた際には、大きさや色、形の変化を記録し、早めに動物病院で相談することをおすすめします。
犬の組織球腫は、若い犬に多く見られる良性の皮膚腫瘍です。
自然に小さくなって消えることもありますが、他の皮膚腫瘍との鑑別が重要です。
愛犬の皮膚に突然しこりができた場合には、自己判断せず、動物病院で適切な検査を受けましょう。
小さなしこりでも、早期発見・早期診断が大切です。
気になるできものを見つけた際は、お気軽にご相談ください。